かつては「10年10万km」がクルマの寿命の目安と言われていた。しかし近年は技術の進歩により、20万km以上走行する車両も珍しくなくなっている。
統計によると、2025年3月末時点での乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年となり、前年より0.10年伸びた。平均車齢は30年以上にわたり上昇を続けており、クルマを長く使う傾向がより強まっている。
背景には車両価格の上昇や生活コストの増加などがあり、「1台を大切に長く使う」という考え方が広がっているとも言われている。では、愛車を長く快適に使うためには、どのような点に注意すればよいのだろうか。
エンジンオイルと冷却水の管理が基本
クルマのコンディションを保つうえで重要なのが、エンジンオイルと冷却水の管理だ。エンジンオイルは潤滑や冷却などの役割を持つため、劣化したまま使用するとエンジン内部に負担がかかる可能性がある。
一般的には一定の走行距離または期間ごとに交換することが推奨されている。走行環境が厳しい場合や渋滞の多い都市部では、早めの交換を心掛ける人も多い。
また、冷却水はエンジンの温度を適切に保つ役割を持つ。近年は長寿命タイプの冷却液も普及しているが、定期的に量や状態を確認することが安心につながる。
特に気温の高い季節はエンジンへの負担が大きくなるため、渋滞走行が続く場合などはメーターの温度表示にも注意しておきたい。
ゴム部品やホースの劣化にも注意
走行距離が増えると、エンジンや足回りに使われているゴム部品が徐々に劣化してくる。ブッシュやホース、ベルトなどは外見ではわかりにくいが、劣化が進むと振動や異音の原因になることもある。
定期点検の際にこうした部品の状態を確認しておくことで、トラブルの予防につながる。特にサスペンション周辺の部品は乗り心地にも影響するため、走行距離が増えてきた場合は状態を確認しておくとよい。
駐車の仕方もクルマに影響
日常の使い方の中でも、駐車方法はクルマの状態に影響することがある。例えば、車止めに勢いよくタイヤを当てると、タイヤやサスペンションに余分な負荷がかかる可能性がある。
ゆっくりと車止めに近づけ、軽く当てたあと少しだけ位置を調整するなど、丁寧な操作を意識すると負担を減らすことができる。
また、駐車時にはパーキングブレーキを併用することで、駆動系への負担を軽減できる場合もある。
穏やかな運転がクルマを守る
運転の仕方も車両のコンディションに関係する。急発進や急ブレーキ、急ハンドルなどの操作は車両への負担が大きくなりやすい。
前方の交通状況を早めに確認し、余裕を持った操作を心掛けることで、部品の摩耗を抑えることにつながる。
穏やかな加速や減速を意識することで、燃費の改善にもつながる可能性があると言われている。
定期点検でトラブルを防ぐ
日常点検に加えて、専門の整備士による定期点検も重要だ。車両の診断機を使ったチェックや、バッテリー、ブレーキ、タイヤの状態確認などを行うことで、早い段階で異常を見つけることができる。
走行中に普段と違う音や振動を感じた場合は、早めに点検を受けることが望ましい。小さな変化を見逃さないことが、大きなトラブルの予防につながる。
クルマと長く付き合うために
クルマを長く使うためには、日常の運転や定期的なメンテナンスの積み重ねが重要になる。消耗部品を適切なタイミングで交換し、車両の状態をこまめに確認することで、安心して長く乗り続けることができる。
新車を頻繁に乗り換える時代から、1台を大切に使う時代へ。クルマとの付き合い方は、少しずつ変わり始めているのかもしれない。
